「もう辞めたい…」
就労継続支援を利用していて、そう思うことがあるかもしれません。人間関係、体調、作業内容、様々な理由で「続けられない」と感じることは、決して珍しいことではありません。
今日は、辞めたいと思った時にできること、考えるべきこと、そして実際の選択肢についてお話しします。
まず知ってほしいこと
就労継続支援を利用していて、「辞めたい」と思うことは、決して恥ずかしいことでも、失敗でもありません。
人間関係がうまくいかない、作業が自分に合わない、体調が安定しない、通所するのがつらい、工賃・給料に不満がある、スタッフとの相性が悪い、他の利用者とトラブルがある、やりがいを感じられない。これらは、多くの人が一度は感じる悩みです。
「辞めたい」と思った時、すぐに辞める前に少し立ち止まってみましょう。一時的な感情なのか、継続的な思いなのか。解決できる問題なのか、解決が難しい問題なのか。辞めた後の計画はあるか。他に選択肢はないか。まず確認してみてください。
辞める前にできること
一番大切なのは、まず相談することです。「辞めたい」という気持ちを、スタッフに正直に話してみてください。
客観的な意見がもらえる、解決策を一緒に考えてもらえる、自分では気づかなかった選択肢が見つかる、話すだけで気持ちが整理される。スタッフに相談するメリットはたくさんあります。
「辞めたいと言ったら、引き止められるんじゃないか…」。そんな心配は不要です。良いスタッフなら、あなたの気持ちを尊重してくれるはずです。
いきなり辞めるのではなく、まず調整してみるのも一つの方法です。週5日を週3日に減らす、1日5時間を1日3時間に短縮する、午前だけ・午後だけの利用にする、特定の作業だけ参加する。ペースを落とすことで、続けられることもあります。
体調不良や精神的な疲れがある時は、無理をせず休みましょう。心身のリフレッシュ、冷静に考える時間ができる、本当に辞めたいのか判断できる、距離を置くことで見えることがある。休むことも大切な選択肢です。多くの事業所では、1~2ヶ月程度の休止なら、そのまま復帰できます。
今の作業が合わないだけかもしれません。軽作業から事務作業へ、屋内作業から屋外作業へ、一人作業からグループ作業へ、立ち仕事から座り仕事へ。作業内容を変えるだけで、続けられることもあります。
同じA型・B型でも、事業所が変われば雰囲気も内容も全く違います。新しい環境でやり直せる、自分に合った場所が見つかるかもしれない、これまでの経験は無駄にならない。ただし、一度退所してから次を探す必要があるので、見学・体験をしてから決めましょう。
A型・B型・移行支援の切り替え
A型の雇用契約による義務が負担なら、B型への切り替えも検討できます。出席義務がない、体調に合わせて通える、プレッシャーが軽減される。ただし、工賃が大幅に下がる(月8万円→2万円程度)、雇用保険がなくなるというデメリットもあります。
B型での経験を活かして、A型にステップアップすることもできます。収入が増える(月2万円→8万円程度)、雇用契約で働く経験ができる、一般就労への準備になる。ただし、週20時間以上働ける体力、定期的な通所が可能、雇用契約を維持できることが条件です。
就労継続支援から就労移行支援に切り替えて、一般就労を目指すこともできます。就職に向けた専門的な訓練、企業実習の機会、就職活動のサポートが受けられます。ただし、期間は原則2年間、収入(工賃・給料)はゼロになる、就職への明確な意欲が必要という点に注意してください。
完全に辞める場合
なぜ辞めたいのかを明確にしましょう。体調の問題、人間関係の問題、作業内容の問題、家庭の事情、他にやりたいことがある、一般就労が決まった。理由を明確にすることで、次の選択肢が見えてきます。
辞めた後、どうするのかを考えましょう。しばらく休養する、別の福祉サービスを利用する、一般就労を目指す、自宅で過ごす、デイケアなど医療サービスを利用する。計画なしに辞めると、後で困ることもあります。
スムーズに退所するために、事業所への退所の申し出(通常1ヶ月前)、退所理由の説明、返却物の確認、最終出席日の確認が必要です。市町村への連絡として、受給者証の返却または変更、次のサービス利用の相談も忘れずに。
辞めた後の生活
A型の場合は月8万円の収入がなくなり、B型の場合は月1~3万円の工賃がなくなります。障害基礎年金の受給(該当する場合)、生活保護の相談、家族の支援、他の収入源の確保を検討しましょう。
就労支援は「居場所」でもあります。辞めることで、定期的な外出の機会、人との交流、生活リズム、やりがいを失う可能性があります。地域活動支援センター、デイケア、趣味のサークル、ボランティア活動など、代わりの居場所を見つけることが大切です。
一人で抱え込まないことが大切です。市町村の障害福祉窓口、相談支援事業所、障害者就業・生活支援センター、保健師、主治医など、相談先を確保しておきましょう。
辞めないで続けた方がいいケース
一時的なトラブル、体調不良による気持ちの落ち込み、疲れからくる感情の場合は、数日、数週間で気持ちが変わることもあります。
家に閉じこもってしまうくらいなら、多少の不満があっても通い続ける方が良いこともあります。
特にA型の場合、月8万円の収入は大きいです。次の収入源の目処が立たない場合は、慎重に検討しましょう。
辞めた方がいいケース
うつ症状が悪化している、睡眠障害が出ている、体調を崩し続けている、自傷行為や希死念慮がある。無理をして続けることで悪化している場合、健康が最優先です。
スタッフからの暴言・暴力、他の利用者からのいじめ、セクシャルハラスメント、パワーハラスメント。ハラスメントがある場合、我慢する必要はありません。すぐに相談し、改善されないなら退所を検討してください。
一般企業への就職が決まった、就労移行支援に切り替える、進学や資格取得のため、家業を手伝うため。明確な次のステップがあるなら、自信を持って進みましょう。
まとめ
「辞めたい」という気持ちは、決して恥ずかしいことではありません。大切なのは、その気持ちと向き合い、自分にとって一番良い選択をすることです。
**一人で悩まず、まずは誰かに相談してみてください。**きっと、あなたに合った道が見つかるはずです。
※注意事項 この記事の内容には誤りがある可能性があります。実際の退所や制度利用を検討される際は、お住まいの市役所・区役所の障害福祉担当課や相談支援事業所などで、最新の正確な情報をご確認ください。
就労支援の現場で働く中で、「辞めたい」と悩む方を何度も見てきました。その気持ちに寄り添いながら、最善の選択ができるようサポートしていきたいと思います。


