新卒で出会った人生の大先輩
わたしが新卒で入った会社に、人生の大先輩がいました。
その当時、60歳を過ぎていらっしゃったと思います。
わたしは、その方を「長老」と呼んでいました。
長老は、いつも笑顔でした。周りのスタッフに声をかけ、「何か困っていることはない?」と気にかけてくれる人でした。
「とりあえずやってみよう!」という言葉
誰がどんな仕事のお伺いをたてても、長老は「とりあえずやってみよう!」と前向きに答えていました。
できるかできないかは、やってみないとわからない。だから、やってみたらいいんだ、と。
そして仕事をやってみて、できたら「よくやった!」と褒めてくれました。できなかったら、「なぜできなかったか、一緒に考えよう」というスタンスで向き合ってくれました。
落ち込んでいる日は、別室に呼んで話を聞いてくれました。時には数人を集めて、説法のような心温まる話をしてくれる日もありました。長老は、話を聞くのが上手でした。すごいな、といつも思っていました。
誰にとっても頼りになる存在
長老は、誰にとっても頼りになる存在でした。そして、いるだけで安心できる存在でした。
若手の新入社員も、中堅のスタッフも、みんな長老のことを慕っていました。
わたしが仕事を辞めてからは、長老にお会いすることがなくなりました。でも、よく思い出します。あの笑顔。あの前向きな言葉。あの安心感。
長老から学んだこと
ある一定の年齢になった今、わたしも長老のような存在になりたいなと思いながら、仕事をしています。
長老から、たくさんのことを学びました。
前向きな言葉の力。「とりあえずやってみよう」という言葉が、どれだけ人を勇気づけるか。失敗を恐れずにチャレンジできる雰囲気を作る、その大切さ。
**褒めることと、一緒に考えること。**できたら褒める。できなくても責めない。一緒に原因を考え、次につなげる。そのスタンスが、どれだけ人を成長させるか。
**話を聞くことの大切さ。**落ち込んでいる人の話を、ただ聞く。アドバイスをするでもなく、ただそばにいて聞いてくれる。それが、どれだけ人を救うか。
**いるだけで安心感を与える存在。**笑顔でいること。声をかけること。「何か困っていることはない?」と気にかけること。それだけで、人は安心できる。
わたしにできること
長老のようには、なれないかもしれません。でも、わたしにできることがあります。
人の話を遮らずに最後まで聞くこと。「やってみよう」「大丈夫」「よく頑張ったね」と前向きな言葉をかけ続けること。いつも笑顔で、声をかけ、気にかけること。
若い頃には見えなかったことが、見えるようになってきました。人の気持ちも、少しずつわかるようになってきました。だからこそ、長老のような存在に、少しでも近づきたい。
完璧にはできないかもしれません。でも、わたしなりに、わたしができる範囲で、人に寄り添い、支えになれたらいい。
今、就労支援の現場で
今、就労支援の現場で働いています。利用者さんに対して、わたしは長老のような存在になれているでしょうか。
「とりあえずやってみよう」と言えているでしょうか。できたら褒め、できなかったら一緒に考える。そんなスタンスで接することができているでしょうか。話を聞き、心に寄り添うことができているでしょうか。
まだまだです。長老には、遠く及びません。でも、少しずつ、一歩ずつ、そんな存在に近づいていけたらいいなと思っています。
長老の教えは、今も生きている
長老は、もう現役ではないかもしれません。でも、長老の教えは、わたしの中で今も生きています。
困ったとき、迷ったとき、「長老だったら、どうするだろう」と考えます。そして、長老のような対応を心がけます。
そしていつかわたしも、若い世代の人たちに何かを残せたらいいなと思います。長老がわたしに与えてくれたように、わたしも誰かの心に残る存在になれたら。
人生の大先輩、長老。あなたに出会えたことが、わたしの財産です。
あなたのような存在には、なれないかもしれない。でも、わたしができる範囲で、人の話を聞き、心に寄り添い、いるだけで安心できる存在になりたい。
それが、今のわたしの目標です。
長老、ありがとうございました。そして、これからも、あなたの背中を追いかけていきます。
※この記事は個人の経験をもとに書いています。誰かの人生の大先輩、誰かの「長老」になれたら素敵ですね。


