就労支援の現場で働いていると、家族の存在の大きさを感じることがよくあります。
家族の愛情深い支援
利用者さんの中には、ご家族の支援があってこそ、心身ともに安定した生活を送れている方がたくさんいます。
毎日の送迎や、生活リズムの管理、金銭のやりくりまで、本当に手厚く支えておられます。その愛情の深さには、いつも頭が下がる思いです。
でも、気になることもある
その一方で、年齢に関わらず「お母さんに聞かないとわからない」「お母さんが決めてくれる」という方もいます。
10代なら自然なことかもしれませんが、中には50代になっても自分で判断できないままの方もいます。
これは決して、その方やご家族を責めているわけではありません。ただ、少し心配になることがあるんです。
背景にあるもの
背景には、親の過干渉や、本人の価値観を否定され続けてきた経験がある場合もあります。
結果として、自分で選び、決める力を奪われてしまい、不安の中で過ごしてきた方も少なくありません。
「失敗させたくない」という親心が、時として子どもの成長の機会を奪ってしまうこともあるのかもしれません。
支援者として、親として
支援者として、私は「本人の意思を尊重し、自分で選べる力を少しずつ育てたい」と思います。
でも、親としての立場になるとどうでしょう。
危ないことは避けさせたいし、失敗する姿を見るのはつらい。どこまで手助けするのがいいのか、どこからは見守るだけにするのか――答えは簡単ではありません。
毎日が悩みの連続
私自身も子どもを持つ親として、毎日悩みます。
「助けたい気持ち」と「自立してほしい気持ち」のあいだで、ゆらゆら揺れながら、それでもその人らしい生き方を支える方法を探しています。
きっと、完璧な答えなんてないんですよね。
一緒に考え続けること
きっと、正解は一つじゃない。
だからこそ、家族も支援者も一緒に考え続けることが大切なのだと思います。
一人で抱え込まずに、専門家に相談したり、同じような悩みを持つ人たちと話し合ったりしながら、その人にとって一番いい方法を見つけていけたらいいですね。
家族支援の難しさは、支援者としても親としても日々感じています。答えのない問いに向き合いながら、一歩ずつ歩んでいきたいと思います。